カラーボックス日和|小さな子ども編 ③

家の工夫

暖かな陽射しが部屋に差し込む頃、少し冷たい風と一緒に菜の花の香りが流れてきます。
もうすぐ、レンゲソウの花が手いっぱいに摘める季節。

わくわくしながら小さな長ぐつを履き、小さな花がいっぱい咲いた土手にしゃがみ込んで、おままごとの材料を探します。

『今日こそ、このきれいな青い花を花束にしよう』

そっと摘むけれど、必ずほろりほろりと花が落ちてしまいます。なぜか、その小さな青い花だけは上手に摘めません。

大きくなって知ったのは、朝に咲いて昼前後には花が落ちる1日花の『オオイヌフグリ』だったということ。

ふと見上げると、青空高く、高らかに雲雀の声がひびきます。

土手のあちこちに白い絨毯のように広がるシロツメクサ。
編み込んで大好きな花冠や指輪を作ったり、時間を忘れて『四つ葉の幸せ探し』に夢中になったり。

土手の向こうでは、男の子たちが小さな巣穴に煮干をつけた糸を垂らして、何やらしゃがみ込んでいます。
ザリガニ釣りです。

レンゲソウが咲き乱れる頃のおままごとの食卓は、色とりどりの花で華やかに彩られます。
オオバコの葉に花や葉を詰めて丸め、おもちゃの包丁できれいに切られた巻き寿司。かわいいケーキまで並びます。

カラスノエンドウにサヤができれば炒め物。豆がふくらむ頃にはグリーンピースに似たてたり。豆を抜けば草笛になります。

※ 注意:身近な植物の毒性について
野遊びにはたくさんの発見がありますが、中には毒性を持つ植物もあります。カラスノエンドウに似たムラサキケマンやホトケノザ、黒い小さなトマトのような実をつけるイヌホオズキ、黄色い花が可愛いキツネノボタン、オレンジ色のナガミヒナゲシ…。そして球根に毒性のあるスイセンやヒガンバナなどには触れたり口に入れたりしないよう、大人が見守ってあげましょう。

季節が進み、水ぎわを覗くと、オタマジャクシに足が生え始めていて、少しだけかわいくありません。
さあ、今度は色水ジュースを作りましょう。

初夏の空のようなツユクサの青いジュースに、ツツジのピンクのジュースはいかが?
あまりにきれいにできたので、カラーボックスの棚に飾っておきました。

ところが次の日には、あんなに鮮やかだった水が汚い茶色になっていました。

遊びを通して、子どもたちは季節を感じ、生き物や自然を知っていきます。
少し散歩するだけでも、道端に咲くたんぽぽが、やがてわたぼうしになっていく姿を観察できます。

季節の草花や虫たちとの出会い、色水遊びやおままごとで夢中になった時間。

そのひとつひとつが、小さな発想の引き出しとなって子どもの中に積み重なり、さまざまな経験を経て、やがてたくさんの引き出しへと育っていきます。

そして、いつの日か、その積み重ねが豊かな想像力や『やってみたい』という気持ちを支えてくれるのかもしれません。

きれいな石、どんぐり、貝殻、花びら、虫の抜け殻…。

家に帰るころには、ポケットや両手いっぱいの収穫です。

たとえば、玄関にカラーボックスの棚などを設けて、子どもの『特等席』にしてみませんか。

お気に入りの宝物置き場や、大切なお道具置き場に。

出かけるときには「すぐに持っていける」、帰ってきたら「すぐにお片付けができる」。

玄関にそんな動線ができるだけで、自分の手で並べたり片付けたりする習慣を育む、小さなきっかけにもなります。

カラーボックスに宝物が少しずつ増えていくように、心の中にも大切な引き出しが増えていくかもしれません。

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